深く腰かけるだけで、自然と姿勢が整う「GrowSpica Elite」。
もちろん自分から姿勢を正そうとする意識は必要ですが、ドンッと飛び出たランバーサポートが腰を90度にするのを手伝ってくれます。
他のイスに座ったとき「ふんわり気持ちいい~」と感じていたのが、はたして正解だったのかと考えさせられました。仕事では蒸れないメッシュ&姿勢を正せる形状の方が絶対いい。
機能性だけでなく、高級感のあるアルミ合金をまとったデザインが仕事部屋に馴染むオフィスチェア。
そんな「GrowSpica Elite」と「GrowSpica Pro(約半年使ってきた)」を比較しながら、組み立てを含めてしっかりレビューしていきます!(商品提供:Rasical)
GrowSpica Elite:概要
製品名 | GrowSpica Elite |
サイズ | 幅52.3 × 奥行65.5 × 高さ103.5~128.4cm(昇降式) |
重さ | 製品本体:23.58kg(包装重量:29.68kg) |
耐荷重 | 135kg |
メッシュ | WINTEX製フルメッシュ |
フレーム | ポリマーナイロン+ガラス繊維+ポリプロピレン+アルミ合金 |
アームレスト | ポリマーナイロン+20%ガラス繊維+PU(ポリウレタン)CFCsなし+アルミ合金 |
脚 | アルミ合金 |
キャスター | ポリマーナイロン+PU(ポリウレタン)CFCsなし |
シリンダー | 4級クラス(最上級で耐荷重135kg) |
「GrowSpica Elite」は人間工学に基づいて作られた、姿勢が保ちやすくなるオフィスチェアです。
特徴的なランバーサポート(腰当て)に加え、各部位を細かく調整してベストな姿勢を作ることが可能。
そんなグロウスピカの最上位グレード「Elite」になります。フレームがアルミ合金になっただけでなく、メッシュの柔軟性などが増しました。
色はブラック・ホワイトの二種類。今までは「Pro」のブラックを使ってきたので、今回はホワイトをしっかりレビューしていきます。
GrowSpicaシリーズの違い
現在、GrowSpicaシリーズは「Elite(上)」「Pro(中)」「Base(下)」といった三種類の製品が出ています。
主な違いを表にまとめました。
ProとEliteを毎日使い続けて「結局ここが大きな違いだな~」と感じたのが、メッシュ素材とアームレストの位置。
メッシュは同じ「韓国製」と書いてあるだけだったのですが、Eliteは一度座っただけで柔らかくなっていることが分かります。(追記:新調したわけではなく、少し張りを緩めたそうです)
そしてアームレストが座面ではなく「背もたれの延長」に付いているので、重心を預けてもぐらつかず、後ろに倒れてもアームレストが自分に追従してくれる。
このあたりの違いや、デザインに大きな魅力を感じたらEliteがおすすめ。もちろん、寄りかかったときにギシギシ軋みがなかったりと安定感もあります。
全体的に中間レベルのProもいいですが、Eliteから結構グレードダウンして1万円しか安くならないのでコスパは逆に悪く思えました。
「とにかくこのランバーサポートを試したい。姿勢さえ整えばいい」なんて場合はBaseを選ぶとよさそう。
▼ 「GrowSpica Pro」のレビューはこちら
GrowSpica Elite:開封・外観
「GrowSpica Elite」を開封していきます(この項目をスキップ)。
ダンボールのサイズは縦64.5cm、横82cm。総重量は約30kg。
玄関に入るサイズか、持ち運べる人がいるか確認しておきましょう。
中には製品を支えるダンボールが大量にありますが、発泡スチロールのようなバラつくゴミが出ないのが嬉しい。
そのダンボールの処理が大変ですが、ゴミ捨て場まで二往復するだけでした。
一応、捨てるときのサイズ感はこちら。
そして中身の製品パーツたちは1つずつ取り出して「使用する部屋」に持って行き、使う場所で組み立てるのがおすすめです。
こちらが「GrowSpica Elite」本体パーツたち。
キャスターがバラバラしているくらいで、椅子の座る部分がほぼ完成した状態で入っています。
取扱説明書やネジなどは薄い箱に。
ネジは各種スペアがあるので、実際に使うのは3個だけでした。六角レンチの逆側がドライバーにもなっているので本当に準備いらず。
軍手まで付いているので、しっかり付けてから組み立てましょう。
使用後にしっかり黒くなっていたので、着用は必須です。
作業中に床を傷つけないためのマットも入っていました。気を遣っていても椅子の重さで床にめり込むことがあるので助かる。
長さは約60cmで4つに折られているので、そのまま使っても広げてもOKです。
組み立ては5ステップで終わる
それでは「GrowSpica Elite」を組み立てていきます(この項目をスキップ)。
付属品に含まれていた「説明ダンボール」に沿ってご紹介。女性でも10分あれば組み立て可能です。
安全に組み立てられる道具は既に揃っていました。ただ、どうしても椅子を持ち上げる必要はあるので、不安な方はスーパーで約20kgのお米などを持って確かめてみてください。
キャスターとシリンダーを付ける
まずはベース(5本脚)に、キャスターとシリンダーを付けていきます。
ググッと押し込むだけで、ネジなども必要ありません。
シリンダーも中央の穴に差し込めばOKです。
カチッともせず本当に入れるだけ。
これでベースが完成しました。
本体にベースを差し込む
先ほど作ったベースを、イス本体に差し込みます。
大事なのがベース「に」ではなく、ベース「を」差し込むこと。
本体は約20kgと持ち上げるのが大変なので、イスを横に倒した状態で差し込むのが重要でした。
横向きで入れた後はそのまま持ち上げずに、キャスターを滑らせるように立てます。
付属のプチプチシートを活用しつつ、がんばって起こしたらひとまず完成。実際、滑らせればそこまで重く感じません。
何もオプションが必要がなければ、この時点で座ることができちゃいますね。超早い。
ハンガーを取り付ける
ヘッドレストにハンガーを付けます。ここからの組み立ては全て「快適に使うためのオプション」。
ヘッドレストをイスに装着する前にやっておかないと、後で付けるのは面倒なので注意です。
ハンガーを通すのは少しだけ難しく、右の先端を浅く入れて、左も浅く入れてからグッと押し込む感じで。
固定するのは青く塗られているネジを使います。穴に通すわけではないので、ギチッと止まるまでネジを締めましょう。
そして完成。
上下の位置は、ネジを緩めるだけでカンタンに調整可能です。
ヘッドレストを背もたれに挿入する
背もたれの裏側に、完成したヘッドレストを装着します。
細い穴に通すだけなのですが、ハンガーでやったように左・右と少しずつ入れ込むイメージで。
ヘッドレスト自体を使わない場合は、付属品のカバーで塞ぐこともできました。
首の角度を垂直より後ろに曲げたい場合は、ヘッドレストを外す必要があるのでフタしちゃうのも全然アリかなと。
ということで完成。上下に力強く動かすと、そのままガタタッと調整できます。
上着などをかけることが多い方はもちろん、ヘッドレストを調整するときにハンガーが掴めて便利なので可能なら付けておきましょう。
フットレストを取り付ける
座面の裏側にフットレストを付けていきます。
内側に収納できる仕組みですが、まずは「白い足場が上の状態」で装着。
細いパイプを通すための穴があるので差し込むだけです。
フットレストの折りたたみ方は「GrowSpica Pro」と同じなので、動画をチェックしてみてください。
スイッチがONの状態にどちらか一方にしか動かず、動き始めは逆方向に一瞬動かせば調整可能。
固定には付属のネジとカバーを使います。
フットレストを挿し込んだ逆側から、先端をネジでとめる。
そして付属のドライバーでクルクル回すだけ。
「何を固定してるんだ?」と思うかもしれませんが、このネジ自体がストッパーになって穴で引っかかってくれる仕組みです。
逆に言えば「フットレストと脚の重さ全部をネジだけで支えてる」という意味でもあったり。耐荷重135kgまでを想定して作られているので問題ありませんが。
ということで、「GrowSpica Elite」が完成しました!
次章では外観をしっかりとチェックしていきます。
アルミ合金の高級感があるデザイン
「GrowSpica Elite」は、アルミ合金をまとった高級感のあるデザインです。少しべたつきや指紋は残りやすい。
高さ(昇降式) | 床から44.0〜55.5cm |
ヘッドレスト(頭) | 奥行14.5~21cm/角度は38度 |
アームレスト(腕) | 高さ(59.4〜77.6cm)前後(5.5cm)左右(2.5cm)斜め(内20°/外20°) |
リクライニング(背中) | 90~135度/4段階 |
ランバーサポート(腰) | 奥行2.5cm/4段階 |
背面(高さ) | 高さ7cm/14段階 |
座面(前後) | 奥行60mm/5段階 |
可動範囲は表にまとめたので、シンプルに外観をご紹介。
「ホワイト」のメッシュ生地。真っ白というよりは少しグレーに近く見えたので、白統一のデスク周りだと少し濁って見えるかもしれません。
髪の毛などが落ちた時に見えづらかったので、汚れには強い白さでした。
ヘッドレスト。角度、高さが調整できます。
背もたれにガッチリ入っているので、パワーで調整するのが意外と危ない。
ランバーサポート。深く腰をかけるだけで姿勢を正してくれるメインパーツです(背筋は自分で伸ばしましょう)。
Eliteになって少し柔らかくなりましたが、サボって全体重を預けていると圧は強く感じます。
アームレスト。新型になっているので上下移動はスイッチ式。
座る部分ではなく「背もたれの延長」に付いているので、後ろに倒れても自分に付いてくるのが快適です。
座面。硬めのメッシュ素材でありつつも、お尻が痛くならない弾力と通気性が長時間作業にピッタリ。
裏側が透けて見えるほど薄いですが、ジャンプ乗りしてもしっかり支えてくれました。
調整レバー。使用時では右側に付いていて、1つで3部分(座面の高さ・前後スライド・背もたれの角度)が調整できる優れもの。
右のハンドルは「背もたれの角度」を調整するときの硬さをいじれます。「+」に回すと反発が強くなり、背もたれがあまり倒れなくなりました(け~っこうグルグル回す)。
シリンダー。表面はしっかりEliteのアルミ合金仕様に。
これ一つで135kgまでの重さを支えて、約18cmの上下移動ができちゃう優れもの。
キャスター。かなり移動音が静かでサラッサラ動きます。
公式サイトには「ポリマーナイロン+PU(ポリウレタン)素材で、床を傷つけにくい」と記載もあり。どうしても気になるならマットを敷きましょう。
GrowSpica Elite:レビュー
「GrowSpica Elite」をレビューしていきます。
身長164cm、体重53kgの男。膝がしっかり90度に曲げられるのはもちろん、ひじ掛けを一番下まで降ろしたときに「肘が浮かない高さ」に感動。
ということで、細かい使用感はこちら。
「GrowSpica Pro」と近い製品になっており、過去のレビュー内容と重複している部分、してない部分があるのでご了承ください。
触れて痛くないメッシュ生地
「GrowSpica Elite」のメッシュ生地は人を支えられる硬さでありつつも、触れていて痛くないバランスになっていました。
「GrowSpica Pro」だとランバーサポート(腰当て)を指でつまめないくらい硬かったのですが、Eliteは少しぶよっとつまめるくらいの弾力。
座面も素肌で座るとさすがに痛いですが、薄手のパジャマなら何の問題もなく快適です。Proは大根がおろせそうなくらい硬かった。
爪で引っかいてみても明らかに材質・音が違います。実際、調整する度に触っていても痛いんですよ。
Proのレビューで「メッシュが硬すぎ」という意見が多かったからか、生地の張りを少し緩めたそうです。ちゃんと腰とお尻が痛くないのでスゴイ。
楽に姿勢を正せるデザイン
「GrowSpica Elite」は各部位を細かくカスタマイズできるので、姿勢を良くしやすいです。
どのパーツがどれくらい調整できるかは外観の項目で紹介しているのですが、まとめると座面の「前傾姿勢(斜め移動)以外」は全て動かせる。
特に飛び出ているランバーサポートが、腰を90度に曲げるのを手伝ってくれます。
高さはもちろん、奥行き間の調整もできるので更に飛び出させることも可能。
姿勢を正したいけど反り腰になりたくない人は深く腰かけるだけでカンタン。僕もProからずっと使っていて、かなり姿勢が整いました……。
夏でも快適に使える通気性
「GrowSpica Elite」は座面までメッシュ素材になっているので、夏でも蒸れずに使えるほど通気性がいいです。
135kgの重さを耐えられる硬さは保ちつつ、裏側の物が透けて見えるほどの密度。
皮やクッション生地だと蒸れて衣類が肌にぺったり付いてましたが、メッシュになってからは「そんな時期もあったなぁ」という感じ。
2時間座った直後の温度もチェックし、熱がこもることもなく衣類は蒸れていません。
硬さが弱点だった部分もProから緩和されているので、お尻の痛みや蒸れで集中できない人にとって欠かせないオフィスチェアになりました。
GrowSpica Elite:気になるところ
「GrowSpica Elite」の気になった部分もレビューしていきます。
ヘッドレストが硬くて調整しづらい
「GrowSpica Elite」はヘッドレストが硬いので、上下に調整がしづらいです。
そもそもがヘッドレストを細い穴に差し込み、「力のみ」でカタタッと動かす仕組み。
パワーで動かしているのでメモリをひとつずつ調整するのが難しく、安全に掴める取っ手もありません(ハンガーはあるけど、“てこの原理ポジション”が悪い)。
メッシュに指を強く押し付けるので痛みが発生したり、ボーっとしていると指を挟んでしまったり。
イスの後ろにしっかり立ってコレなので、もちろん座りながらの調整は難しいです。ヘッドレストの位置はある程度で固定して、背もたれ自体を動かす方がよさそう。
正直、この上質なイスで1番安っぽく感じてしまうパーツでした。そんな何度も上下を変える場所ではないんですけどね。
アームレストが少し当たるだけで動く
「GrowSpica Elite」はアームレスト(ひじ掛け)に少し力を与えたり、ぶつかっただけでズレてしまいます。
「Elite」が販売される前のアームレストから改良された新型ではあるんです。ただ、上下がスイッチ式になっただけで斜め移動は軽い。
離席するときに掴んだらズレて、戻るときに自分の方へ寄せるとズレる。普通に使っている分には問題ありませんが、ふとした瞬間に動いてしまいます。
動いたらすぐに直せばいいだけの話ですが、気になるところでした。自分好みの定位置が決まっている人だと少しストレス。
背もたれを戻すときに音が鳴る
「GrowSpica Elite」は背もたれ(角度の解放時)に寄りかかって、元へ戻るときに異音がします。
あの電車に乗っているときに連結部分から聞こえてくるような、人の声に近い音。
あちこちを触りながら寄りかかってみましたが、ネジなどは関係なく「背もたれの強度調整ハンドル」を回すと“鳴るとき・鳴らないとき”がある感じですね。
……なんて困っていると公式から『リクライニング時の異音を直す方法(Elite)』が送られてきました。
ページを見てみると、僕のイスはネジが端っこにある状態だったらしい。
付属の7mm六角レンチを使い、この個体の場合だと0.8cmほどボルトを下げてみると本当に直ってしまった。どんだけ派手に寄りかかっても異音が鳴りません。
最初の2連ボルト回しが硬かったので、六角レンチを逆方向+2つ同時に使って一度緩める。そうすると指で回せるくらい軽くなりました。
これで確かに無音状態にはなりましたが、「こういった手間が気になる」デメリットということで締めさせてもらいます。
GrowSpica Elite:まとめ
- 触れて痛くないメッシュ生地
- 楽に姿勢を正せるデザイン
- 夏でも快適に使える通気性
- ヘッドレストが硬くて調整しづらい
- アームレストが少し当たるだけで動く
- 背もたれを戻すときに音が鳴る
「案件だ。最強のオフィスチェアだ。星5!」なんてわけでなく、「8万円台で買えるオフィスチェア」というくくりで超優秀です。メッシュの良いとこ取り×軋みのない安定感。
アルミ合金の光る外観だけでなく、使用中にも「高級さ・Proとの違い」をしっかり感じることができました。
通気性がよくて蒸れづらく、臭いが付きづらい座面はやっぱりストレスフリー。ランバーサポートで姿勢も正しつつ、余計なことに気を取られず仕事に集中できちゃう。
「気になるところ」でまとめた安っぽさを感じる部分は正直ありましたが、なるべく低価格で10~20万円のオフィスチェアに近づけようとする意志が感じられました。“コスパを考えると”やっぱり優秀!
どんな人におすすめ?
- 仕事に集中したい人
- 夏場の蒸れに悩んでる人
- 組み立てを楽に済ませたい人
- 人間工学に基づいて、姿勢を正したい人
- 10~20万円台の高級チェアは手が出しづらいので、コスパが良いオフィスチェアを求めてる人
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