この記事では「静音性が高いキースイッチの解説」と「静かなゲーミングキーボード3選」を紹介していきます。
キーボードを使用する場合、常に気になるのが「打鍵音」。
様々な種類や構造によって静音性が高いキーボードもありますが、今回はゲーミングキーボードに絞って紹介します。
通話中に相手を気遣ったり、1人で集中するためにも打鍵音は静かな方が良いよね。
記事の内容をまとめると以下の2点です。
結論として、(メカニカル)ゲーミングキーボードに完全に無音のものは存在しないので、音が鳴る前提で“静音性が高い”ものを紹介します。
「どういったスイッチの打鍵音がうるさいのか」なども解説しますので、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
ゲーミングキーボードの静音性について
そもそも「静音性に優れた」とは色々な考え方があると思いますが、無音に近いほど静かというのは難しいです。
キーを底まで叩いたり、弾ませるためにバネなどのパーツが使われているので、“カチカチ”といった音が鳴らないとしてもタイプ音自体はうるさくなります。
メカニカルスイッチは底まで(平均)4mmある長さのうち約2mm押し込むだけキーが反応するといっても、常にふんわりとミリ単位で力を調整するのは不可能ですよね。
そしてPCを買った時に付いてくるメンブレン、パンタグラフスイッチなどは構造的に底まで叩かないと反応しないので、自然と打鍵音は鳴ります。
「ピンク軸(静音赤軸)」や、あまり採用されることがない「静電容量無接点方式」も静音に特化したスイッチではありますが、少し珍しかったり高額になりがち。
要するに、冒頭でも言った通り完全な無音は難しい。
上記で紹介したことをふまえて、静音性に優れたキーボードの選び方をまとめると以下の3点。
上から順番に深掘りしていきます!
まずはキースイッチの形状を定める
ゲーミングキーボードでは様々なスイッチを選ぶことができますが「静音性の高いスイッチ」となるとタイプが限られます。
この条件を踏まえてスイッチのタイプをざっくり分類すると、以下の2つに分けられます。
- メンブレンスイッチ:一体型になっており、細かい押し心地の調整はできないが安価
- メカニカルスイッチ:それぞれが独立している軸になっており、押し心地や重さなどが調節可能
【関連記事】メカニカルキーボードの軸ってなに? 主な6種類の違いを解説。
今回の記事では主に「メカニカルスイッチ」を紹介していますが、メンブレンスイッチも静音性はかなり高いです。
そもそもの構造上で金属パーツがなければバネも使っていません。聞こえるのはペコッとしたメンブレンの音だけなので、特にメカニカルにはこだわりがないという方にはおすすめ。
少し安っぽく感じる部分や、押し心地を選ぶことができない構造といった点も問題ないと感じる方にはメンブレンスイッチのキーボードもおすすめです。(そもそも買い替えなくても静かだったというパターンもある)
以下の記事でも紹介していますが、メンブレンスイッチ採用の『Logicool G213r』もかなり静かです。


メカニカルスイッチならリニアタイプを選ぶ
静音性を求めるならメカニカルスイッチの中では「リニアタイプ」が最適です。
- リニア:クリック感がなく滑らか
- タクタイル:少しクリック感がある
- クリッキー:クリック感がしっかりとある
本当にざっくり分類すると、上記の3タイプに分けられます。
特徴を見て気が付くかもしれませんが、もちろんクリック感があると音は大きくなりがち。
なので基本的に静音性を求めるとリニアタイプから選ぶことになります。静音リングを使う場合でもストレートな赤軸と相性は良いですね。
リニアタイプの代表的なスイッチは赤軸・ピンク軸・銀軸などがありますが、全体的な使用感も含めると赤軸が一番おすすめです。
「静音赤軸っていうくらいだからピンク軸の方がいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、底打ち音が静かな分「カーン……」というバネ音が際立って聞こえるので、トータルで考えると一概にピンク軸が最強とは言えません。(そして機種による部分でもある)
ただ、静かなのには間違いないのでピンク軸が気になる方には『Ducky One 2 Mini』という人気モデルもおすすめ。ゲーミングキーボードでは珍しくピンク軸が選べる機種です。
同じリニアタイプでも静音レベルは違う
『赤軸』といっても、メーカーごとに独自のキースイッチがあったり、キーボード本体の材質や構造によっても静音性に大きな違いがあります。
この画像だけでも4種類に分かれていて、押し心地・薄さ・静音性が全く違ったり。
そして全く同じスイッチでも、キーボード本体側の工夫で押し心地・打鍵音が変わったりするので奥が深すぎる部分でもあるのですが……。
例えば上画像のキーボードだと左の本体は静音性が高くて、右は金属プレートが見えている通り、底まで叩くと金属音がとても響きます。
少し難しいですがキースイッチの種類だけで決めつけるのではなく、キーボード丸ごとの性能で判断すると失敗しづらいです。(レビューなども見たり)
いくらおすすめしても「人それぞれ」で終わってしまう部分でもあるのですが、相性の良いブランドに出会えると似た使用感の製品が多いので今後の失敗が格段に減ったりもします。
今回おすすめしているゲーミングキーボード3選はそれぞれレビュー記事も書いていて、安定の大手ブランドから三種類チョイスしてみたので、ぜひ好みを見つけてみてくださいね。
静音性に優れたゲーミングキーボードおすすめ3選
様々なゲーミングキーボードを使用してきて「静音性が高いし全体的に優秀だからおすすめできる!」と感じた製品を紹介していきます。
静音性の高いゲーミングキーボードおすすめ3選
- 『HyperX Alloy Origins Core』
コスパ良し・静音性ありの万能キーボード。静かなだけじゃなくとても滑らか。 - 『Razer Huntsman Mini Mercury White』
コンパクトな60%キーボード。独自開発の赤軸で静音性が超優秀。 - 『Logicool G913』
多機能・高性能・超静音の薄型キーボード。有線・無線か、テンキーのあり・なしを選べるのも強み。
HyperX Alloy Origins Core RGB
『HyperX Alloy Origins Core RGB』です。赤軸のゲーミングキーボードで1番おすすめしてるのですが、静音性の観点から考えてもやっぱりこのキーボードが1位だと思ってます。
打鍵時にパーツの擦れ感や雑音が一切ないレベルで、シンプルなCHERRY MXの赤軸を触ったことある人なら今まで使っていた「滑らか」という言葉の概念が変わるレベルだと思いました。
押下圧は約45gになっていて、指に伝わる重さはよく出回っているCHERRY MXと同じくらいのちょうどいい重量。
ただ「やっぱりこのHyperX Redの方がいいよな~」と感じさせてくれる部分は、押す時の滑らかさだけじゃなくキーを押した後に軽く・早く跳ね返してくれるという意味での滑らかさもあるんですよね。
そして赤軸はクリック感がなく静かですが、どうしても「カーン…、コーン…」といったバネの音は聞こえてしまうもの。
ですが、このキーボードは耳を本体に近づけても全くと言っていいほどバネの音が聞こえません。
動画で聞くと分かると思いますが、キーを底まで叩いた時のカタカタ・トコトコ音はもちろん聞こえます。
あくまで“雑音”がなく、静音性が高いって意味。
バックライトも割と派手に光ったり、コンパクトサイズでありながらFnキーなども搭載されていて機能面もバッチリ。
気になる部分があるとすれば、少し汗をかいた後の指紋が残りやすかったり、それこそ滑らか過ぎるといったところでしょうか。
ここまでの文を読んで特に欠点を感じなかった方は騙されたと思ってぜひ使ってみてほしいです。「滑らか過ぎる」という部分が気になる方はシンプルに他の2製品をおすすめします。


▼ HyperX Alloy Origins Coreのレビューはこちら
Razer Huntsman Mini Mercury White
『Razer Huntsman Mini Mercury White』です。珍しい形状・性能の『Razer オプティカルスイッチ』を搭載しているゲーミングキーボード。
ゲーム以外では(慣れないと)使いづらい60%サイズだったり、高価な部分が正直気になりますが静音性はトップクラスです。
約1.2mm押し込むだけで入力されるほど作動点が浅いですが、押下圧が平均より少し重めの48gに設定されているので誤入力の心配もありません。
内部の構造もメジャーな金属接点ではなく“光学式”なので、寿命が長く(クリック1億回)光の速さで反応するというぶっ飛んだ性能になっていたり。
「60%サイズはゲームだと快適に使えるけど普段使いには難しそう」という場合でも、テンキーレスサイズ・日本語配列で同じスイッチが使える『Razer Huntsman V2 Tenkeyless』などがあります。
このキーボードも良いですが「Razer オプティカルスイッチがおすすめ!」とも言えるので、気になる方はぜひ別キーボードもチェックしてみてください。
▼ Razer Huntsman Miniのレビューはこちら
Logicool G913
『Logicool G913』です。とても薄めのデザインになっていて、多機能・遅延なしのワイヤレスなどを搭載している高性能のゲーミングキーボード。
『GLリニア』というキースイッチが採用されていて、一般的な赤軸と比べるとかなり平べったい構造なのが特徴ですね。
こんなに薄くてもノートパソコンのようなペチッとした感触ではなく、滑らかな赤軸感はしっかり指に伝わります。
この薄さは打鍵音に関してもプラスに働いていて、そもそもバネの形状が違ったり軸が縦に短いのでカーンと響くバネの音がなくて静かなんですよね。
押したときの重さは約50gになっていますが、この薄さのおかげか45gのキースイッチより軽く感じるレベル。
ゆっくりと押すと「確かに…!?」と重さが分かるんですけど、叩くとスカスカに感じる面白いスイッチです。
ワイヤレスについても問題なく、対人ゲームや音ゲーなどの速度・安定性がとても重要なゲームでも全く途切れることのない性能に驚きました。無線のレシーバーは割と離れててもOK。
充電が15%以下になるとライトが赤くなって教えてくれるので、有線キーボードとしてたまに充電しながら使えばいいだけなのも快適です。
少し気になる部分としては値段が高い、サイズが大きいという点がありますが、以下のように避ける方法も一応あったり。
- ワイヤレスはいらないから安くして! →『Logicool G813』
- サイズをコンパクトにして! →『Logicool G913 TKL(テンキーレス)』
デザインやキースイッチなども含め、種類が豊富で悩みに合わせて選べるのもおすすめポイントです。


静音性に優れたゲーミングキーボードまとめ
- 静音性を求めるならリニアタイプのメカニカル、またはメンブレンスイッチがおすすめ。
- ピンク軸も静かだけど、トータルの音や使用感を含めると赤軸が優秀。
- 同じキースイッチでもキーボード本体の構造で打鍵音、押し心地が変わってくる。
ピンク軸を使うのもいいと思いますが、結局バネ音は響いてしまったりゲーミングキーボードだと製品がかなり絞られてしまうので、同じリニア系の赤軸を主に選んでみました。
人それぞれ求めている静音レベルが違うかと思いますが、PCに付いてくる初期キーボードも意外と静かな部類ではあるということも知ってほしかったり。
「反応が良く滑らかなスイッチで、ゲームとか作業を快適にしたい」→「でもメカニカルにするとうるさいしなぁ……」という場合に参考にしていただければと思います。
これなら通話中に使っても問題なし。
「静音性が高いキースイッチの解説」と「静かなゲーミングキーボード3選」の紹介でした。
今回紹介した静かなゲーミングキーボードまとめ
- 『HyperX Alloy Origins Core』
コスパ良し・静音性ありの万能キーボード。静かなだけじゃなくとても滑らか。 - 『Razer Huntsman Mini Mercury White』
コンパクトな60%キーボード。独自開発の赤軸で静音性が超優秀。 - 『Logicool G913』
コンパクトな60%キーボード。独自開発の赤軸で静音性が超優秀。 - 『Logicool G213r』※解説で登場したおすすめ
静音性の高いメンブレンスイッチを採用。構造上でバネや金属がないのでとても静か。 - 『Ducky One 2 Mini』※解説で登場したおすすめ
ピンク軸を採用している人気のゲーミングキーボード。ゲームで有利な60%サイズ。
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