この記事では「茶軸と赤軸はどっちがいい?」という疑問について解説していきます。
茶軸・赤軸ともシンプルで使いやすいので、ゲーミングキーボードを選ぶときにどっちのスイッチにした方が良いのか悩みますよね……。
結論:特にこだわりがないなら赤軸を選びましょう。
赤軸をゴリ押ししたいわけでもありませんし、単純に茶軸の押し心地や打鍵音の大きさで失敗するより、クセのない赤軸を選ぶ方がリスクが少ないという話です。
もちろん赤軸にもデメリットはあるから、しっかり比較していくぞ。
ということで、記事の内容をまとめると以下の3つになりました。
両スイッチの特徴を確認しながら「なぜ赤軸を選んだ方がいいのか」という理由を解説していきますので、ぜひキーボード選びの参考にしていただけると嬉しいです。
茶軸と赤軸どっち?:赤軸の特徴
- リニアタイプ(↓一応説明)
- 押下圧:45g(押す時に指にかかる重さ)
- 作動点:2mm(キーを押し込んで入力が反応する場所。アクチュエーションポイント)
- キーストローク:4mm(キーを押した底までの長さ)
- 耐久性:5,000万回(叩ける回数・寿命の目安)
赤軸は滑らかで引っ掛かりなどがなく、底までストンと叩けるリニアタイプのキースイッチ。
ふと触れて2mmほど沈むだけでキーが反応してしまう敏感さはありますが、バネや底打ち音のみが響くシンプルな打鍵音だったりと、何にでも使いやすいのが特徴です。
赤軸は底打ち音が響きやすい
赤軸は底までストレートに落ちるので、強めにキーを叩くと「カーンッ」と音が響きやすいです。
ただ全部がそうではなく、例えば「HyperX Alloy Origins Core」は滑らかで雑音が一切なくコトコトという音がしたり、それこそ「Corsair K70 LUX」のようなアルミボディだと結構な金属音が響いたり。
▼ HyperX Red スイッチ
キーボードによる違いがとても大きく、製品の工夫によってはとても滑らかだったり打鍵音が静かになりやすいキースイッチでもあります。より滑らかになるのが正解かは分かりませんが。
赤軸でもうるさいと感じる場合は、そもそも「静音赤軸」を使うべき。
良くも悪くもシンプルなスイッチなので、底打ち音を抑える「静音リング」の影響も大きく受けやすく、後からの補正もできます。
茶軸などの場合は、そもそもクリック感を出すパーツにリングが干渉しないので、そこに関しての効果は薄いです。
赤軸は誤入力しやすい
赤軸は少し触れただけでキーが反応します。ただ、普段から使っているとキーの配置を正しく覚えるので慣れる部分でもあります。
「赤軸は誤入力が多すぎ!」という段階だと「それって茶軸でも誤入力してないですか?」とも思ったり。(いくら茶軸でもそこまで強力なストッパーはないし、あっても打鍵感が悪くなる)
ただ、PCを買った時についてくるキーボードは「底まで叩かないと反応しない」メンブレンスイッチなので、そこからの移行を考えるとミスタッチが目立つ側面もあります。
誤入力においては“滑らかさ”というよりも作動点(入力が反映されるポイント)が浅いことが危険なので、普段使いが多くなる方は作動点2mmほどのスイッチを選ぶといいです。
最後に赤軸の特徴をまとめると以下の4つ。
- クリック感がなく滑らか。
- 長時間の使用でも疲れにくい。
- メカニカルスイッチの中では静音性が高い。
- 止まりがなく、軽いタッチでも反応するので誤入力をしやすい。
音に関しては静音リング、誤入力は慣れる、ということで後からデメリットの補正もできる万能なキースイッチです。
真逆なことを考えていて「打鍵音もそこまで気にしないし、慣れる気がしない」という方にはシンプルに茶軸をおすすめします。
茶軸と赤軸どっち?:茶軸の特徴
- タクタイルタイプ
- 押下圧:55g
- 作動点:2mm
- キーストローク:4mm
- 耐久性:5,000万回
茶軸は押し始めに少し引っ掛かりがあり、ゆっくり叩くとブルッと震える感覚が楽しめるキースイッチ。
「押下圧:55g」という数値は45gの赤軸と比べると重そうに見えるかもしれませんが、タクタイル感のあるパーツを一瞬乗り越えるために必要な圧というだけなのでそこまで重くはないですね。
その55gの壁が多少の誤入力防止になっていたり、少し大きいくらいの打鍵音で使いやすいのが特徴です。
茶軸の打鍵音は少し大きい
茶軸はタクタイル感があるので打鍵音は大きめです。「カチカチ」というようなクリッキータイプの音では全くありませんが、引っ掛かりを乗り越え、底打ち音と合わさって鈍い音が響きます。
▼ GX Brown スイッチ
「CHERRY MX 茶軸」を採用しているシンプルなFILCOのキーボードだと音が高めだったりしますが、打鍵音は大きいままだったり。
赤軸は強く叩くと音が大きく響きますが、茶軸は少し弱めに叩いても一定ラインの音は出てしまう感覚です。
赤軸の打鍵音でも触れていますが静音リングは底打ち音を和らげる物なので、押し始めにタクタイル感がある茶軸への効果は薄いですね。
どういった場面で静かさを求めるかでいうと主に職場やゲーム中の通話かと思いますが、その状況を想定すると茶軸は「ギリギリ周りに迷惑がかかるレベル」だと思っています。
他スイッチにも言えますが、環境による部分でもあるので「打鍵感の気持ち良さと静音性のどちらを取るか」なども踏まえて選ぶといいですね。
茶軸は絶妙なクリック感
茶軸の押し心地は、ゆっくり押すと少しの引っ掛かりを感じられて、速めに叩くと引っ掛かりをあまり感じません。
この打鍵感はデスクトップPCなどに付属しているキーボードの「メンブレンスイッチ」と近い押し心地で、それがメカニカルで上質になったものをイメージしていただければと。
タクタイルは重かったり大きな音が出る原因にもなってしまいますが「今キーを押したぞ」ということが分かりやすかったり、軽いタッチでは誤入力されないメリットもありますね。
最後に茶軸の特徴をまとめると以下の4つ。
- 若干のクリック感があり重く感じる。
- 長時間の使用は疲れる可能性あり。
- 静音リングの効果も受けづらく、打鍵音は少し大きめ。
- 少し止まりがあるので誤入力がしづらく、「キーを叩いた」という感覚も分かりやすい。
初期キーボードを使う期間が長く、「メンブレンスイッチと近い押し心地で何も問題ない」「滑らかさや静音性は特に求めてない」という方には茶軸をおすすめします。
茶軸と赤軸なら正直どっちなの??
赤軸がおすすめです。なるべく両スイッチのメリット・デメリットを引き出したつもりですが、比べてみると茶軸の方がマイナス多めになっちゃいましたかね。
ここまでは性能や打鍵音などを書いてきたので、後は個人的なぶっちゃけた感想をまとめました。
どちらにせよ誤入力などの短所は慣れれば問題ない部分でもあるので、慣れではカバーできない打鍵音・万能度を考慮しつつ、今後の買い物で参考になる可能性の高い赤軸がおすすめということです。
最強の切り札である「結局は人それぞれ」を使わずに、数値や持論を使って無理やり結論を出してみました。
キースイッチは「百聞は一見にしかず」どころか「百見は一触にしかず」だと本当に思いますので、家電量販店で触ってみたりキーボードテスターを使ってみたりすると、より明確になりますよ。
茶軸と赤軸どっち?:まとめ
- 赤軸はクリック感がなく滑らか。
- 茶軸は少し独特なクリック感。
- そのタクタイル感が好きなら茶軸。
- “特にこだわりがないなら”赤軸を選べば間違いない。
「両極端のスイッチで特徴がハッキリしていると比較がしやすいのに」とは思いましたが、赤軸・茶軸どっちが良い?という疑問をよく見かけたのでまとめてみました。
一応は「両方とも持ってないから買う前に調べとこう」という方向けに書いたつもりですが、茶軸好きの人からしたら反感を買いそうな内容になってしまいましたかね。
記事タイトルでも“こだわりがないなら”と書いたように、どっちか迷ってるならクセがない方がよくない?という話でした。(安くない買い物なので失敗を避けやすくすることを重視して)
超裏側だけど、どちらの軸が売れようと収益は変わらないからゴリ押しする必要がないんだよな……。
「この記事を読んで赤軸を買ったけど茶軸の方が良かった」という方には本当に申し訳なく思っていますが、「こだわりが見つけられて良かったですね」とも正直思っていたり。
人の感覚により過ぎるものを、全ての使用目的に対して、読者全員のメカニカル一発目で大当たりを提供するなんてムリムリ!
コメント
コメント一覧 (11件)
たくさんのコメントありがとうございます!
2023年になり内容を見直して、約2年前の自分がとても浅く、角が立つ言い方をしていると感じたので内容をほぼ全修正しました。
過去のコメントは消しませんが、これからコメント欄を覗く方は一応「過去の文章に対するコメント」ということを頭の片隅に入れていただけたらなぁと。
色々と申し訳ございませんでした!(タイピング時の小指ピーンは治りません)
Majestouchの赤軸を使っていて、茶軸へ変えようと考えている者ですが、赤軸の最大の問題点は誤タッチがめちゃくちゃ頻発する事かと思います。
タイピング中ちょっと隣のキーに触れてしまうと誤入力、入力中にスペースキーに添えている親指で誤入力、ホームポジションにふわっと指をおいているだけでも誤入力。
正確無比なタイピングスキルを持っていると自負している方以外には別の軸をおすすめします。
タクタイル系のスイッチしか使っていなかったから
リニア系に変更したらすんごい違和感でビックリ、やっぱ最初は茶軸買った方がメンブレンキーボードから移行しやすいと思う…
2台目にリニア系のキーボードを買うのがおすすめ
赤軸はエンターキーを「ターンッ!!!」って打つ人には軽すぎるから黒軸マジでおすすめしとく。
コリッ ブルッ は草
茶軸に恨みでもあるんか
「コリッ ブルッ」なんて言い方してるのこのサイト以外では見かけないし、個人的な感覚としても適切な擬音とは言えない。百聞は一見にしかず。感覚的なことをもっともらしく書き並べただけのこんな記事を参考にするよりは、家電量販店に行って自分の手で直接確かめた方が早いし間違いもない
桜花時は過ぎねど見る人の恋ふる盛りと今し散るらむ
個人的には動画の小指を立てるというカマっぽいタイピングフォームに突っ込みたい
茶軸のコリってメンブレンのゴムがペコッてなる瞬間の感覚に似てるんですよね。自分の指の感覚だとですが。そうすると、わざわざ一万、二万払うまでもないなって、そう思っちゃうんですよね。あくまで自分の感じ方ではですが。
キーボードはPC-8801時代から、様々な機種、キー方式のものを何十と使ってきました。
メカニカルも一通り使ってきたのですが、好み的には茶軸になります。
私の場合、キーが押されたということを指先で認知しないとしっくりこないので、
ある程度のクリック感が必要なのです。(打ち間違った、押されてないが画面で認知するより先に指でわかるくらいがいいです。軽すぎるとわからない)
ただ、キーボードの使用感は感覚的なもの。
人によって手の大きさも違えば、筋力も違います。
個人の主観的な感覚は様々ゆえ、いろんなスイッチが淘汰されず、販売され続けてるのでしょう。だから、違いを紹介する程度なら良かったですが、VSとして、個人主観でこれがベスト、と決めつけると反感を持つ人がいるのかもしれませんね。
私?今は安いメンブレンのTK-FCM007です。メンブレンでもメカニカルに近い打鍵感。キーボードは価格、キー方式にとらわれずメーカーの機種毎1つづつ試すのがベストです。
長々とすみません。
実際使うと赤軸って使いにくいよ。
使う人をに選ぶから茶軸のほうがいいって言われてるんだよね。
ただあなたが赤軸が好きなだけだと思うよ。
わかります笑
この記事を読んで赤軸を使ってきましたが、茶軸に変えた時あまりの使いやすさに驚きました。
好みの問題なのにこんなに赤軸を推すのはいかがなものかと思います。