この記事ではメカニカル・ゲーミングキーボードに使われている軸、キースイッチについて解説していきます。
気になるキーボードがあっても、軸(じく)とか色々あって難しいですよね…。
自分も最初は「青軸」って言葉しか知らなかった。
ですが、スイッチはざっくりと3タイプに分類されていて、そこから自分好みな押し心地のキーボードを選べばいいだけという簡単なことなんです! 難しいことは慣れてからにしましょう。
ということで、記事の内容をザックリとまとめると以下の3つになります。
ぜひ軸のことを知っていただいて、自分に合ったキーボード探しのお手伝いができたら嬉しいです。
メカニカルキーボード:軸とは?
まず「軸」とは何かということで、キーボードにたくさん並んでいるキャップを外してみると青色のパーツが現れました。それが軸(じく)です。
基本的には軸の色と名前は同じになっているので分かりやすいかと思います。上画像の場合はそのまま「青軸」ですね。
他にもたくさんの種類や色がありますが、それを全部をお伝えするのは難しいので本当にザックリ分類すると3種類のタイプに分けられます。
- クリッキー:しっかりとしたカチカチ(青軸など)
- タクタイル:少しだけカチカチ(茶軸など)
- リニア:全くカチカチせずに滑らか(赤軸・ピンク軸・銀軸・黒軸など)
たまに商品ページに赤軸などの表記がなく「リニアスイッチ」とだけ記載されている場合もあるので、少し頭に入れておくとキーボードが選びやすくなるかなと。
名前のイメージから「クリッキーはクリックの事だからカチカチ」「リニアは『直線の』って意味だから滑らか」といったように覚えておくと楽になりますね。
メカニカルキーボード:軸の種類・違い
ここまでは3つのタイプにまとめて解説してきましたので、少しだけ軸の種類や違いを深掘りしていきます。
メーカーごとに様々な工夫が施されているスイッチがあるのですが、今回は軸の基本になるほど有名な「CHERRY MX」キースイッチでよく使用されている色を6種類ピックアップしました。
それぞれに添えているGIF画像でパーツの動きを確認してみると、クリック感などが作られる理屈も分かるかと思います。
この6種の軸を知っておけば、大体のイメージが掴める。
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赤軸:CHERRY MX RED
- リニアタイプ(↓最初なので解説)
- 押下圧:45g(押す時に指にかかる重さ)
- 作動点:2mm(キーを押し込んで入力が反応する場所。アクチュエーションポイント)
- キーストローク:4mm(キーを押した底までの長さ)
- 耐久性:5,000万回(叩ける回数・寿命の目安)
シンプルで滑らかな押し心地。クリック感がなく静音性が高いリニアタイプの赤軸です。
クリック感がないので「今キーを押した」という感覚が分かりづらかったり、軽めのタッチで誤入力をしてしまいやすいといったスイッチでもありますね。
そしてカシャカシャと擦れる押し心地の赤軸もあれば、とにかく滑らかで擦れる感覚が全くないという赤軸もあったり。
全ての軸にも当てはまりますが『滑らかさ』に色々な感覚があれば、キーボード本体の構造・材質も大きく影響するので奥が深過ぎる部分でもあります。
意外と押したときの反発が強いのでプレイするゲームの指使いによっては重く感じる時もありますが、基本的には静音性が高く使いやすい万能なキースイッチです。
ピンク軸:CHERRY MX SILENT RED
- リニアタイプ
- 押下圧:45g
- 作動点:1.9mm
- キーストローク:3.7mm
- 耐久性:5,000万回
ピンク軸(静音赤軸、SILENT RED)も赤軸などと同じようにクリック感がなく、特に打鍵音が静かなのが特徴です。
押下圧は赤軸と同じ数値ですが、柔らかさやストロークの短さから微妙にピンク軸の方が重く感じるという面白いキースイッチ。
静かさに特化しているだけでなく、押下時の滑らかさや底まで叩くと弾力が感じられるような感覚もピンク軸ならではの良さですね。
キーボード自体の機能などにこだわりがなければ入手しやすいですが、ゲーミングキーボードでは採用されることが珍しく手に入りづらいポジションでもあります。
打鍵音で大きな音を立てられない環境の方や、とにかく静かに使用したい方におすすめの軸です。
茶軸:CHERRY MX BROWN
- タクタイルタイプ
- 押下圧:55g
- 作動点:2mm
- キーストローク:4mm
- 耐久性:5,000万回
押す度に若干のクリック感があるタクタイルタイプの茶軸。種類によっては強めの引っ掛かりが感じられるものもあります。
その引っ掛かり部分などの影響もあり押下圧は55gと重めになっていて、音も少し大きめなキースイッチです。
基本的に万能な軸になっていて誤入力が起きづらかったりと、普段使いでの使用者は多いですね。
カチカチとクリック感のある『青軸』と滑らかな『赤軸』の中間的なポジションと言われていますが、意外と独特な押し心地なので好みが分かれる軸でもあります。
逆に言えば、滑らかすぎる赤軸のようなスイッチより「キーを押したという感覚があった方が使いやすい。でも青軸はちょっと音が大き過ぎる…」といった方におすすめの軸です。
銀軸:CHERRY MX SPEED SILVER
- リニアタイプ
- 押下圧:45g
- 作動点:1.2mm
- キーストローク:3.4mm
- 耐久性:5,000万回
リニアタイプで入力の反応速度がとても速い銀軸。キーを1.2mmほど押し込んだだけで入力される作動点の浅さが特徴です。
ゲームなどでは数フレームでも速く入力できるメリットが光りますが、普段使いでは軽く触れただけで入力されデメリットが目立つといった鋭い性能になっています。
「ただ赤軸の反応が速くなった軸かな?」と思うかもしれませんが、キーストロークが短いというのも連打などをする際には大事な要素です。
他軸と同じタイミング・同じ速さでキーを押した場合は作動点の浅い方が先に入力されるので、そのあたりを活かせるなら輝くキースイッチ。
FPSや1フレーム単位で争う対戦ゲームに銀軸はおすすめですが、初キーボード購入などで普段使いにも使う機会が多くなりそうな方には別軸をおすすめします。
黒軸:CHERRY MX BLACK
- リニアタイプ
- 押下圧:60g
- 作動点:2mm
- キーストローク:4mm
- 耐久性:5,000万回
打鍵感が重いことで有名な黒軸。重さ以外の特徴は特になくシンプルで使いやすいスイッチです。
赤軸と近いスイッチですがリニアタイプでは珍しい『押下圧:60g』という数値になっていて、使っていると指がじわじわと疲れてくるので長時間のゲーム・作業などには正直向いていません。
ですが「指が疲れすぎてもう使えない…」とはならないギリギリのラインを攻めてくるので、慣れるまでは筋トレをしているような感覚が楽しめたり。
黒軸だけの絶妙な重さが癖になる良いスイッチではありますが、1つ目のキーボードやゲームに使用するのは避けた方がいいかなと思います。
普段使っているキーボードが軽くて物足りなさを感じていたり、キーに強めに反発される圧を楽しみたい方におすすめの軸です。
青軸:CHERRY MX BLUE
- クリッキータイプ
- 押下圧:60g
- 作動点:2.2mm
- キーストローク:4mm
- 耐久性:5,000万回
クリッキータイプでしっかりとした押し心地の青軸。カチカチという打鍵感を楽しめるのが特徴です。
押下圧だけ見ると黒軸と同等なので重く感じるかもしれませんが、カチッとなるパーツ部分が60gの圧を与えないと動かないだけなので意外と軽く感じます。
そしてこのスイッチの特性上、押した後はしっかりと上までキーを上げないといけないのでカチカチ部分の下でいくらキーを動かしても何も入力されません。
そしてクリック感があって楽しいですが、使用環境に配慮する必要があるほど打鍵音が大きくもあります。
環境には問題がなく、やっぱりキーボードはカチカチ音を立てて爽快に使いたいという方におすすめの軸です。
メカニカルキーボード:軸の選び方
それぞれの軸の違いなどは前項目で説明した通りですが、どの軸を・どこで・何に使うかで選ぶべき軸の色が変わってきます。
ということで、さらに特徴ごとに分類してみました。
・静かな音がいい
ピンク軸 >> 赤軸 = 銀軸 = 黒軸
・カチカチとした感覚がいい
青軸 >>> 茶軸
・固めの押し心地がいい
黒軸 > 青軸 > 茶軸
・軽めの押し心地がいい
銀軸 > 赤軸 > ピンク軸
特徴だけでなく、それぞれの使用目的にも当てはめてみます。
・仕事で静かに使いたい
ピンク軸 >> 赤軸
・ゲームなどで素早い反応が必要
銀軸 > 赤軸
・とくにこだわりがなく、シンプルなスコスコ感を楽しみたい
赤軸 > ピンク軸 > 茶軸
・うるさくてもいいから楽しく使いたい
青軸
上記のような分類を基準にして、当てはまった軸からキーボードを選んでみてはいかがでしょうか。
メカニカルキーボード:軸のまとめ
- 軸ごとに軽さ・反応の良さ・底までの長さが違う。
- 押し心地や打鍵音にも影響するので状況に合わせて選ぼう。
- 特にこだわりがなければ赤軸が万能。
軸は特殊な色や限定スイッチなどもたくさんあって「どのキーボードがいいか悩んでるのに、たくさんの軸も説明されたら何が何だか分からない…」と思ったのでメジャーな6種類に絞って解説してみました。
解説した選び方に自分の環境を当てはめて、その軸が搭載されているキーボードを選ぶといいね。
あとは好みに合わせてキーボードの配列・ライト・テンキーの有無などを選べばいいかなと。
「それでもやっぱり触って確認したい」という方はシンプルに触らせてもらえるお店に行くか、アクリルキーボードテスター(サンプラー)などを購入して確かめれば間違いないですね。
少し品薄気味なのが気になりますが、1個持っておくだけで参考になりますしハンドスピナーのような手遊び感覚でずっとカチカチ触りたくなっちゃいます。
自分にピッタリのキーボードが見つかると、ゲーム・作業全てのモチベーションが上がるので本当に楽しいですよ!
以上がメカニカルキーボードに使われている軸(キースイッチ)の種類・違いについての解説でした。
軸以外についてもゲーミングキーボード本体の選び方や、おすすめ5選なども紹介しているので気になる方は他の記事もぜひチェックしてみてくださいね。
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