今回は、セラミック製キーキャップ「Cerakey(セラキー)」をレビューします。
陶磁器で作られていて、キンキンぶつけても割れなくて、RGBライトも透過するという、めちゃくちゃなキーキャップがあると聞いてCerakey様から提供いただきました。
「安かったら絶対割れるやつじゃん」と思いつつ詳細を見てみると、価格はなんと2万円以上!じゃあ苦労して作ってるだろうし絶対割れないやつじゃん……。
既に欧米のクラウドファンディングでは総額1億円以上を達成していて期待も高まっていますが、そのことは一旦忘れて正直にチェックしていきます。
指がべたつくタイプだから表面ツルツルなのがちょっと心配。
様々なゲーミングキーボードで試しながらレビューしましたので、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
Cerakey(セラキー):概要
互換性 | Cherry MX系スイッチ |
材質 | 工業用アルミナセラミック |
カラー | 11種類 |
キー配列 | ANSI「英語配列」のみ |
キャップ数 | 113個 |
重量 | 3.5g~32g(サイズ次第) |
生産地 | 中国 |
「Cerakey」はセラミック製(陶磁器)なので触っても色あせず、汗で腐食することのないキーキャップ。
手に3個くらい持ってじゃらじゃら~と振ると、おはじきに似た感覚が楽しめます。(若い人に伝わるかな……)
割れやすい質感をイメージするかもしれませんが、高いところから落としても割れない頑丈な作りになっているのも特徴の一つですね。
カラーバリエーションは11種類で価格は26,300円。現在は英語配列のみですがMacOS用の追加キーキャップなどもあるので、気になる方は「Makuake」をチェックしてみてください。
きちんとフルサイズキーボード分である113個のキーキャップが入っていますよ。……キーボード本体は付いてません!
外観:高級感のあるセラミック素材
レンタル版なので見た目や包装が変わる場合もありますが、外観をチェックしていきます。
※連絡がきて、七か月後にいただいた製品版のパッケージはこちら。プラスチックカバーを横向きに取り付けるデザインになっていました。
箱を開けるとこんな感じ。
フルサイズ分のキーキャップが2列で入っていました。
さっそく「Razer Huntsman Mini」に装着します。め~ちゃくちゃ綺麗。
本当に陶器のような重厚さで、ひんやりとした触り心地でした。
一般的に使われているABSキーキャップではありえないほど、朝のひざしが反射してます。
これがCerakey一番人気のセラミックブルーだと表面が「自然なひび割れ」模様になっているようですね。(11種類中の1色限定)
裏側は白くなっていますが、きちんとセラミック素材になっていてザラザラ。キャップ同士をぶつけると表も裏もキンキン鳴ります。
重さはキーごとに全然違うので、1番差の大きいキャップを計測。
公式では3.5g~32gと書いてあったので、個体差や色によって違いがあるかもしれません。どちらにしろSpaceキーはかなりの重さでした。
付属品は箱の外に付いていて、キースイッチ2つとキーキャップ外しが入っています。
黒い道具は片側でキーキャップ、もう片側でキースイッチが引き抜けるタイプなので便利ですね。もう自腹で買っちゃってます。
バックライトの確認
Cerakeyは光の透過率が高いとのことで、RGBバックライトもチェックしていきます。
全く透過しないABSキーキャップと比べると確かに透けてますが、少し黒色に負けているような…?
部屋の明かりを消してみると、そもそも透過できてないキーキャップが目立ちました。キャップを底までググっと押し込んでいても全体的にバラつきがありますね。
ホワイトのCerakeyはとても綺麗に光るのを知っていたので少し残念でしたが、そもそも黒色を透かすのは半透明のキャップでないと実現が難しそうとも思ったり。
普通の黒いゲーミングキーボードでカラフルに光ると映えますが、Cerakeyの高級感がある黒さだとRGBライトの相性が悪くも感じたので、光らせないで使うのは全然ありでした。(ブラックの場合)
Cerakey(セラキー):レビュー
シンプルに「綺麗だからデスクにあるだけで気分が良い!」「触ると冷たい!」などはありますが、しっかり使用した感想をまとめていきます。
キャップが重いので落ち着いた音になる
Cerakeyを装着すると、材質やキャップの重さで打鍵音が“落ち着いた音”になります。
あえて「静音性が高くなる」と言わないのは、打鍵音の大きさ自体はあまり変わらないと感じたからですね。高めなカタカタが低めのコトコトになるイメージ。
キーボードごとの使用感はスイッチの打鍵とプレートの反響具合などでチェックしていましたが、ここまで打鍵に影響するキーキャップが登場しちゃうとレビューが複雑になるぞ…とも思ったり。
基本的にキーキャップの素材はABS → PBT(→セラミック)の順で値段やコトコト感も増していくので、より良い音を求めるとやっぱりお金はかかりますね。
Cerakey同士をぶつけるとキンキン音が鳴りますが、キャップとして装着すると「しっとり落ち着いたキーキャップ」になるのも面白いです。
様々な軸で試したCerakeyの感想
Cerakeyを各色の軸に使うとどのような影響があるのか、所持している各実機やキーボードテスターでチェックしていきます。
打鍵感や音がハッキリしている4種類を主にまとめました。
全体的に打鍵感は重くなり、音の大きさは同じまま低めにコトコトするというシンプルな結果に。自分は常にピンク軸で使うことにします。
ちなみに推奨されているスイッチは定番の「Cherry MX」系とのことで、使っておいてアレですがRazerのオプティカルスイッチだとフィット感がないので全くおすすめしません。
基本的には特殊ではない十字型のキースイッチなら何でも使えると思いますね。現在は日本語配列がない点も一応注意です。
激しく叩くゲームだと手首が疲れる
しっとりとした打鍵感で気持ちよく叩けるのですが、忙しいゲーム(高難度の音ゲー)だと急に疲れを感じました。いつも通りの赤軸のはずが手首にじんわ~りと…。
重いキースイッチである黒軸を使った時の「指にバネの圧がかかって重い」という感覚ではなく、「打鍵感は軽いのにスイッチ全体が重い」というイメージ。
普段使いでは特に疲れるレベルではなく、連打のような使い方をすると急に来ますね。なのでタイピングがめちゃくちゃ速い人なら疲れるかも。
Cerakeyの中央に空気が入ってるように感じて「むしろ軽くなってない?」と思いながら使っていると、他のキャップより疲れるのが早い…という不思議な感覚でした。
Cerakey(セラキー):気になる部分
Cerakeyの気になる部分も正直に紹介していきます。
装着部分が硬いので着脱に力が必要
キャップの装着部分がギリギリになっていて、ググっと強めに押し込む必要があります。特に「Shift」などの3つ同時に付けるキーが緊張しますね。
正直、装着するのには力を入れればいいだけで、外すのは付属の道具を使えば簡単なので本題はそこではなかったり…。
使っていて分かったのが、キャップの装着部分もザラザラで硬いセラミックなのでキースイッチが少し削れます。
装着に力が必要なのも合わさって、キャップの先端に各軸のカラフルな削りカスがちょっぴり付いていたり、キースイッチの根元にぽろっと落ちていたり。
言い過ぎかもしれませんが、このキーキャップを長く使って元のキャップに戻した時にゆるゆるだったら嫌だな~とは思いました。
(画像では互換性のないRazerオプティカルスイッチで試していますが、Cherry MXでも同様。)
べたべた、ツルツルする触り心地
使い続けて手汗をかいた状態だと、結露している窓ガラスを指で触る感覚に近いです。結構ツルッツル滑る。
べたつきがちな自分の指だと「常時ハンドクリームを塗っている状態」にも感じるので、普段ハンドクリームを使う方なら一周回って何も変わらない可能性すらあります。
今回レビューしているのはブラックなので指紋も目立ったり。ライトが綺麗に透過するというCerakeyのメリットも輝きづらいのでホワイトが無難な選択かなと思いました。
逆に乾燥肌の人だと、他のキーキャップでは味わえない「しっとりする触り心地」との相性がいいかもしれませんね。(もちろん肌質のことなので言い切れませんが)
キーの印字が太くて丸い
高級感とは裏腹に、印字のフォントが太く丸っこいので少しアンバランスに感じます。
他色ではホワイトだと“可愛さ”が際立っていると思うのですが、個人的にブラックで見ると「こどもの頃に見たアルファベット表」のような単調さが気になりました。
「釉薬を塗り超高温で焼成する ×2」という工程でプリントしているようで、細くオシャレな文字フォントにするのは難しいのかも…と勝手に推測したり。(確かに印字はとても剥がれづらくて頑丈)
文字プリントの有無なども選べるので、キー配置を完璧に覚えている方だったら思い切って高級感全振りの「印字なし」にするのもありかなと。
先に欧米でクラウドファンディングされていた時のレビューでは印字なしが多く、セラミックの良さが際立って綺麗でした。(公式HP下部から海外ニキの動画が観られます)
Cerakey(セラキー):まとめ
- 高級感、透過性があるのでライトが綺麗。
- 高い打鍵音がなくなり、低めの落ち着いた音になる。
- 滑らかな肌触りと冷たさが気持ちいい。
- お値段がかなり高い。
- 装着部分もザラザラなので軸が削れる。
- 肌質によっては結構べたつく。
世界初のセラミック製ということで、まだ正直「完成されたキーキャップだ!」とは思いませんでしたが、かなりの可能性を感じました。この材質で頑丈さとライトの透過性を両立しているのもスゴイ。
「2層キーキャップにして、内側は軽い素材で外側はセラミックにすればスイッチは削れないし、重さでSpaceキーが沈んだりもしない…」とド素人ながらに思いましたが、それでは打鍵感と音がセラミックじゃなくなっちゃいますしね。
べたつきがちな自分的には少しざらつく方の“陶器感”がよかったなぁ~とも思いながら、ひとまずPBT素材に帰ります。ピンク軸専用キーキャップにして静音を楽しもうかな。
コメント