エルゴノミクス(快適・合理的な)デザインが右手にフィットする「BenQ ZOWIE EC3-CW」。
マウスを掴みワンクリックするだけで、ビルドクオリティの高さが伝わってきました。
「結局サイズが大きい(小さい)から使えないんだわ」という人のために、三種類のサイズから選べるところも優秀。
めちゃくちゃ良マウスに見えますが、ZOWIE初のワイヤレスマウスは結局どうなのか……しっかりチェックしていきます!
BenQ ZOWIE EC3-CW:概要
製品名 | BenQ ZOWIE EC3-CW |
サイズ | 縦 119 × 横 61 × 高さ 41mm(最高地点) |
重さ | 76g |
デザイン | エルゴノミクス(左右非対称) |
DPI | 400 / 800 / 1600 / 3200 |
レポートレート | 125 / 500 / 1000 Hz |
バッテリー稼働時間 | 約70時間 |
電池充電 | 約2時間 |
「BenQ ZOWIE EC3-CW」はエルゴノミクス(右手用の)形状、3370センサー搭載のワイヤレスマウス。
「EC1-CW」「EC2-CW」「EC3-CW」の三種類がありますが、数字の低い順でサイズが大きくなっている「同じマウス」です。今回レビューするのは一番小さいサイズ。
有線の「EC3-C」が改良され、W(ワイヤレス)になったモデル。ZOWIE初の無線マウスになります。
マウス感度などの設定は底面にあるボタンだけで完結できてしまう「プラグ&プレイ」を搭載していて、PCにソフトウェアを入れる必要もありません。
充電と応答を両立している「エンハンストワイヤレスレシーバー」が付属しているので置くだけ簡単。もちろん有線接続で充電しながら使うことも可能です。
「EC3-C」と「EC3-CW」の違い
「EC3-C」と「EC3-CW」は、主に形状が少し違います。もちろん無線化されたので重量もアップ。
黒いシルエットが「EC3-C(有線)」で、赤いのが「EC3-CW」です。公式サイトで好きなZOWIEマウスと比較できるのが便利。
上からだとサイズが大きくなったように見えます。でも感覚だと「お尻でっかちな部分が、なだらかになった」というイメージ。
サイトには「EC3-CとEC3-CWは、形状・サイズが同じです」と書いてありますが、ちょいちょい違いましたね。
一番小さいEC3系だと重さは約6g(ケーブルなし)も変わってくるので、この新デザインやワイヤレスに魅力を感じなければ半額以下の「EC3-C」でもOK。
プラグ&プレイ(ソフトウェアが必要ない)
「ZOWIE EC3-CW」はプラグ&プレイ(ドライバーインストール不要)です。PCにソフトウェアを入れる必要がなく、マウス本体だけで完結。
- DPIを「400・800・1600・3200」に調整可能
高いほど少しの移動でマウスが大きく動く - レポートレートを「125・500・1000 Hz」に調整可能
1秒間にPCへ情報を送信する回数(1000Hzにしておけば間違いない) - リフトオフディスタンスを「低・中・高」に調整可能
マウスをマウスパッドから浮かせて、反応が途切れる距離(低いほど「マウスを大きく振り、持ち上げて戻すときの誤動作」が減る)
変更方法はユーザーガイドの通り。1つか複数のボタンを同時に押すことで変更できます。
リフトオフディスタンスを「低」にしたい場合は、サイドボタン(下)を押しながら左クリックなどなど。
PCのソフトを使わずに設定できて快適。ゲーム中でも片手でカスタマイズできるボタン配置が優秀でした。
BenQ ZOWIE EC3-CW:外観
それでは「BenQ ZOWIE EC3-CW」を開封していきます。
長さ19cmほどの箱を開けて、中の付属品はこちら。
- 取扱説明書(ユーザーガイド)
- 保証書
- USB Type-C パラコードケーブル(2m)
- マウスソール(スペア)
- USB エンハンストワイヤレスレシーバー
- USB ワイヤレスレシーバー
- USBアダプタ
ユーザーガイドは左側だけが厚紙になっているシャレた作り。右側は各国の言語で使い方が書いてあり、日本語で読めるのは1ページのみ。
このマウスはソフトウェアを使わずに、様々な機能を裏側ボタンだけで完結できます。右側の文字では操作方法がずらっと並んでいました。
ふにゃふにゃに動く、USB Type-Cのパラコードケーブルを採用。
マウスに直接挿して有線マウスにもなったり、「エンハンストワイヤレスレシーバー」に挿しこんで使ったり。どちらかの手段でマウスを充電する必要があります。
そしてこれが、エンハンストワイヤレスレシーバー。
マウスをワイヤレスで接続するためのレシーバーにもなったり、カチッと載せるだけで充電できます。
付属のUSBレシーバーをこういったスタンドに挿すタイプもありますが、ZOWIEはUSBケーブルを後ろに挿すだけでOK。
少し分かりづらいですが、スタンドに電気が通うと中央に「ワイヤレスマーク」が浮き出るようなデザインでした。
もちろんUSBレシーバーも付属。
PCに挿すだけでマウスを無線で使えます。ただスタンド1つで充電器・レシーバーになるので、このマウスの場合はあまり活躍しないかも。
レシーバー・USBケーブルをアダプタに繋げると、より安定したワイヤレス接続でマウスを使えます。大事な試合で使いたいアイテム。
予備のマウスソールもありました。
目に見えて「削れてるな~」と感じたら交換しちゃいましょう。
付属品をまとめると、特殊なワイヤレスレシーバー付きの高級マウス定番セットでした。
右手特化のエルゴノミクスデザイン
「BenQ ZOWIE EC3-CW」は、右手に特化したエルゴノミクスデザイン(自然に・効率的に使える形)。
クリック部分は孤立しておらず背中と繋がっているタイプ。癖がなく程よいクリック感で、どの角度からでもカチカチ押すことができます。
両クリックともツルンとしているように見えますが、人差し指・中指を置く部分が少~しだけへこんでます。実際に触ると結構へこみを感じるフシギ。
スクロールホイールは一周で24回カタカタとなるサイズ。一段階ずつメモリのある感触が分かりやすいですが、素早く動かしたときの音は大きめ。
サイドボタンは左側だけに付いてました。「パキッ」とした気持ちのいい押し心地です。
左右のどこを触っても規則性を感じず、細かい凹凸が全ての指をフィットさせてくれるデザイン。
下部のロゴマークは触ると「飛び出ている感覚」が少し伝わるので、一部の人は気になるかも。
一応全ての持ち方、特にかぶせ持ちでベタッと触ってもロゴは気になりませんでした。
このマウスで一番「右手用」に見えない角度ですが、ごりごりのエルゴノミクス。
対応ケーブルはType-Cで、少し奥に挿し込み口があるので別ケーブルを使う場合は注意です。
底面には各種ボタンとテフロン製マウスソールが4つ。
お尻が大きいのでズレて見えますが、センサーは中央にありました。
上部中央には充電ドックに載せる用の磁石つき。雑に置くだけで充電されて、軽く動かしても外れないくらいフィットするので超便利。
ちなみに、マウス端にちょこっと見える赤いパーツが「ワイヤレスのレシーバー」になってます。スイッチではありません。
中央から下にはスイッチが3種類。左上がレポートレート、右上がDPI、右下が電源ボタンでした。
電源は左がレシーバー用、右がデカスタンド用と分かれているのもいいですね。2つのデバイスで使っていても切り替えが簡単。
重量は75.3g。公表値の76gよりは軽いですが、平均よりは少し重めです。
ローセンシ(感度低め)でマウスをブンブン振り回す人にはおすすめできません。長時間使う場合はジワジワ疲れる。
それ以外は基本的に上質で、触り心地・使用感の優れたワイヤレスマウスでした。
BenQ ZOWIE EC3-CW:レビュー
「BenQ ZOWIE EC3-CW」の使用感をレビューしていきます。
全体的にクオリティが高い
「BenQ ZOWIE EC3-CW」は全体的にビルドクオリティが高いです。握ったときの「ギシ……」といった軋みもなれけば、強く振っても音がしません。
左右対称マウスを使っていてもすんなり移行できる掴みやすさでした。手の長さは男性平均の18cmですが、一番小さいサイズでピッタリ。
べたつきがちな肌質でも(ガマンできないほどは)ベタベタせず、グリップテープを貼らずとも快適に使えます。
ボディの質感・形状・クリック感のどれをとっても文句なし。しいて言うならホイールが硬くてうるさいくらい。
つい褒めてしまいたくなる安定感。多くの右手マウスユーザーに好まれるデザインかなと。
コントロールしやすいマウスソール
「BenQ ZOWIE EC3-CW」は他のマウス(ソール)より滑りすぎず、コントロールが効くように感じました。悪く言えばザラザラ~とかすれたような抵抗がある。
シンプルなテフロン製ではあるのですが、お尻側に大きく付いているのが影響してそう。
Logicoolのクロス系や、サラッサラのスピードタイプで使っても少し勢いが抑えられます。
良くも悪くも……というより好みで分かれる部分。抵抗のないスピード感を求めている人は少し注意かもしれません。
コントロールタイプで使うとやりすぎなくらいザラッと感じましたが、マウスの重さもあわさって精度は向上するマウスソールでした。
エンハンストワイヤレスレシーバーが便利
USBレシーバーと充電器を両立してくれる「エンハンストワイヤレスレシーバー」が便利です。
先に言うと「気になるところ」ではデカすぎ~と愚痴ってるんですが、やっぱり便利なもんは便利。
必然的にマウスとの距離が近くなるので、応答速度が安定したり充電が快適になります。席を離れるときにポンと置くだけでいいので、充電している意識すらない。
例えばRazerの充電ドックだと、マウス裏側の見えない部分をピンポイントで置かないとダメなんですよね。少しズレるだけでガタタッと崩れ落ちちゃう。
ZOWIEのは大きな壁で奥行き調整、磁石でポジション誘導、凹凸がハマってズレなくなるコンボ。
バッテリー稼働時間が約70時間と、高価格帯の中では控えめですが、その短所をきちんと補ってくれる優秀な充電器でした。ケーブル一本だけで使えるのもいい。
BenQ ZOWIE EC3-CW:気になるところ
「BenQ ZOWIE EC3-CW」の気になった部分もレビューしていきます。
エンハンストワイヤレスレシーバーがデカい
まずはベタに、エンハンストワイヤレスレシーバーが大きいです。個人的には「気になる度」より快適さの方が勝っていますが。
デスク周りに物がなくて、スッキリ綺麗にまとめている人ほど気になりやすいと感じました。モニターアームを使っていて目の前に物がなかったり。
とはいえ、モニターアームでもクランプ部分(支えている台座)はデスクに残るので、真横に置いたりするとカバーしやすいです。物が多くても目立ちづらい。
やっぱり応答速度の安定、充電が超カンタンになるのを考えると、多少目立たない工夫をしてでも常時置いておきたいです。
レシーバーの高さが約7.2cmあるので、モニターを下げたときにぶつかりやすいのは注意。
使い方・サイズによっては疲れる重さ
「ZOWIE EC-CW」はサイズが大きいEC1・EC2を使って、ローセンシ(感度低め)でマウスをブンブン振り回す人には不向きです。
EC3をミドルセンシ(中間)で使っているのでギリギリ気になりませんが、感度を下げてマウスの移動量を増やすと疲れてくるのが分かる。
別サイズを選ぶ人にとっても「EC2-CW」だと77g、一番大きい「EC1-CW」は79gと、軽量マウス時代にしてはなかなかの重さになるので注意。
タイプは違いますが、右手特化で重めの「Logicool G703h(92g)」が好きな人なら超すんなり移行できそうではありました。
もちろん「重いと使えない」なんてことはないですし、少し疲れやすいだけでエイムは安定します。
ただ、ローセンシ(振り向き約25cm)でマウスを振り回し、手・マウスサイズが大きい人に伝えておきたい内容でした。
性能・進化を考えると高価格
「BenQ ZOWIE EC3-CW」は性能や「有線版からの進化」を考えると、少し高価格なのが気になりました。
もちろん質はめちゃくちゃ良いです。ZOWIE初のワイヤレスマウスでしたが反応も問題なく、充電できるレシーバーもクオリティが高い。
ただ、満を持して2023年中期に登場した2万円マウスのセンサーが「PixArt PAW 3395」ではなく「3370」な部分も引っかかります(3395はガラス製パッドなど、特殊な材質にも“正式対応”してる)。
有線の「EC3-C」は少しセンサーが古くなっているくらいで値段も半額以下。バッテリーがない分、約6gも軽く使えたり。
このような、「気になるところ」が全て気にならない場合の価格設定に思えました。
何度も言いますが、マウス自体はトップクラスに使いやすいですし「少し古いセンサー、重さのせいで使えない~」なんてことは全くないです。
BenQ ZOWIE EC3-CW:まとめ
- 全体的にクオリティが高い
- コントロールしやすいマウスソール
- エンハンストワイヤレスレシーバーが便利
- 使い方・サイズによっては疲れる重さ
- 性能・進化を考えると高価格
- エンハンストワイヤレスレシーバーがデカい
ビルドクオリティ(品質)が非常に高く、少し古いセンサー・高価格・重さが気にならない人に超おすすめ。自分は気にならなかったので気持ちは星5です。
どれか一つでも大きな“気になる部分”があると「値段が高い」というステータスが加算される感じ。全てに納得いくなら(ユーザー目線で)適正価格でした。
強制的にエンハンストワイヤレスレシーバーが付属されている部分も「強気だな~」とは思いましたが、充電の楽さを思えば良コスパ。……たぶん別売りでも買ってます。
結論、多くの右手用マウスユーザーにぶっ刺さりそうな製品でした。使用感に差は出やすいですが、このマウスを使って「安っぽい」と思う人は絶対にいない!
どんな人におすすめ?
- 最新センサー・超軽量など、ガッチガチのこだわりがない人(ガチのゲーマーでも問題なく最前線で戦える)
- 右手のかぶせ持ち、つかみ持ちユーザー
- サラッサラよりコントロール重視の人
- 充電が楽なワイヤレスマウスが欲しい人
- 「気になるところ」が気にならない人
コメント